Rusty was a very special person, and we will all miss him

Written by Chisato. No reproduction or republication without written permission.

「アスラン、に連絡しましょう」
 僕の言葉にアスランの肩が跳ねた。イザークとディアッカがこちらを見る。
「僕たちがヘリオポリスでモビルスーツを奪取してから一週間が経ちました。足つきを沈めようと躍起になっていて通信どころではありませんでしたが、このままに何も知らせないでいるのはよくないですよ」
 ああ、そうだな、と言ってアスランは俯いてしまった。最近の彼は元気がないし、以前よりもため息が増えた。きっとラスティのことがあったからだと思う。僕も、こればっかりはやるせない。
「俺も、早く連絡しなくてはとは思ってるんだ。ただ、がどんな顔をするかと考えると……」
「……それは、そうですけど」
 ラスティとは本当に仲がよかった。ラスティはことあるごとに俺たちマブダチっしょ? と言いながら彼女の肩を抱いて、彼女もそれを当然のように受け入れていた。その光景はまぶたを閉じなくても思い出せる。男だとか女だとかそんなものを感じさせる姿ではなかった。二人は触れあっているのにあまりにも自然で、驚くほどさっぱりしていた。
「フン、この臆病者どもめ。お前たちができないというのなら、俺が今からモニターを繋げる」
 イザークが言った。
「いや、待て、俺がするよ。……俺は、けじめをつけなくてはいけないんだ」
 アスランが言った。連絡してくるよ、と続けて席を立つ。
 アスランを見送って僕とイザークとディアッカの三人になると、それまで黙っていたディアッカが口を開いた。
はいつも笑顔だけどさ、アカデミー時代にとりわけにこにこしてる日があったんだよ。んで、何かいいことでもあったのかって聞いたら、ラスティがこれをくれたのってリップクリームを顔の前でひらひらふんの。楕円形の透明のキャップから赤色が見えたから、ありゃ色がつくやつだろうな。ラスティとはそんなもんが似合う二人じゃなかったからびっくりしたよ」
 そんなこと、ちっとも知らなかった。
「でもさ、ラスティに事情を聞いてみたら納得したよ。はアカデミーに入って長い髪は機械に巻き込まるかもしれないからってばっさり切ったし、化粧はすすとか油とかでぐちゃぐちゃになるからしなかったんだってさ。でもオペレーター組の女子を見てはへこんでたみたいで、ラスティはそのしゅんとした顔を見るのが嫌でそれをやったらしい。今考えるとだってラスティにちょくちょく何かあげたり言ったりしてたし、アイツら、お互いが何を必要としてるかちゃんと分かってたんだろうな。以心伝心っつーのは、あの二人のためにできた言葉なんじゃないかって思うぜ」
 イザークはディアッカの話を苦虫を噛み潰したような顔で聞いていた。
 そうだ、ラスティはに必要なものを分かっていた。彼女にはあなたが必要だって知っていたはずでしょう。それなのに、どうして死んでしまったんですか、ラスティ。

inserted by FC2 system